前回は「WEBシステムエンジニアの技術ロードマップ10」で、WEBシステムを構成する部品についての全体像を説明しました。最後に難易度の高い環境構築の部分について、見ていきましょう。
WEBシステム開発が当たり前にできない人は、まだ意識をしなくても大丈夫です。プロジェクトでもシステムアーキテクチャや高度な技術を持ったエンジニアが対応するところですので、慣れない人はまずはシステム開発部分を当たり前にできるようになることを目指しましょう。もちろん、完全でなくても経験が浅いうちからできるようになるのはよいことですので、興味があれば調べてみるのもいいですね。環境構築をできるエンジニアは少ないので、ものにしてしまえば有利ですよ。どれを優先的に習得するか?ということです。せっかく勉強をしても、長く使われなければ忘れてしまいますので、今の自分の状況で役立つスキルほど、早く習得したほうが自分に有利です。
WEBシステムでリリースをする時には、リリース用の環境構築をしなければなりません。例えば、Javaの開発をするときはeclipseでtomcatを使っていればローカルで開発を進めることはできますが、実際にリリースをする際にはWEBサーバやアプリケーションサーバを立ち上げて、詳細な設定をしていかなければなりません。以前「システムの利用範囲と意識すること」でも書きましたが、一般公開をするようなシステムの場合、サーバにしっかりとしたセキュリティ設定をしないと危険です。これをミスしてしまうと、不正アクセスを受けてしまい機密情報を漏洩してしまうことにもつながりかねません。
また、こういったサーバを設定する時には、権限、IPアドレス、MACアドレス、といったインフラ知識であったり、サーバに対してファイルのアップロード、ダウンロードを行うようなFTP(SFTP)といった経験を持っていないと、考慮不足が発生しかねない部分になります。
若手や新人、WEBシステムに慣れない人でも、ある程度までは進められたりしますが、安易に設定をするとセキュリティ事故が発生しかねない部分ではありますので、確定的な経験がないと厳しいです。経験豊富で高い技術力のあるベテランに任せましょう。正しい環境設定ができるエンジニアは、1つのプロジェクトで1人いるか、いないかレベルの割合です。身近にそんなエンジニアがいたら、ラッキーだと思い技術を教えてもらえるといいですね。環境構築はプロジェクトでも専門会社に依頼をするような場合もあります。
最初から意識をしておくことはよいことなので、将来的にここまで意識をしてシステム開発をできるようになると、素晴らしいと思います。