TVのCMやインターネットで「システムエンジニアには簡単になれる」、「1人でWEBシステムを開発できるようになれる」というようなことが言われていますが、実際、簡単にWEBシステムを開発できるようになるのでしょうか。
答えとしては、YESでもありNOでもあります。
これから、WEBシステムエンジニアになるための技術ロードマップ(必要なスキルの全体像)を使って、WEBシステムエンジニアに必要なスキルを紹介していきます。「そもそもWEBシステムエンジニアって何?」と思われる人もいるかもしれませんが、次回以降の投稿で説明をしていきますので、ご安心ください。まずは、ITエンジニアが成長するイメージを見てください。
ITエンジニアは覚えることが沢山あり、経験で補えるものが沢山あります。1人で勉強してシステムを作ったとしても、実際の仕事に導入してみると、使い物にならないとなってしまうくらい、考慮することが沢山あります。自分の作業を便利にするといったくらいの開発であれば、それなりのものは作れると思いますが、お金をもらって正しいシステムを作るというのは、本当に大変です。システム開発を依頼していただけるお客様(エンドユーザ)は、実際の運用の使いやすさなどを考えて、テキストボックスやボタンといった項目の配置、メッセージの内容、タブ遷移など、詳細な思いがあります。自分だけが良いと感じる自己満足のプログラムでは成り立ちません。
さらに、セキュリティを意識したソースコードも書かなければなりません。フレームワークというものを使用すると、ある程度意識をしなくてもそれなりのプログラムは作れたりはしますが、理屈を知らないと知らないうちに脆弱性のある組み方をしてしまうでしょう。
いろいろと失敗、障害、指摘といったものを繰り返していく中で、ITエンジニアは経験を積み成長していきます。プログラム言語も沢山ありますが、プログラム言語ごとに意識をしなければならない書き方があったり、ブラウザによってプログラムが動いたり動かなかったりします。思いもよらないエラーや、開発をしている時は大丈夫だったのに、実際の運用環境で動かしたら正常に動作しなかったといった事例は数多くあります。リリースをして運用が開始された後に障害が発生し、「60分以内になんとかしなければならない」といった緊急事態や焦る中での対応でも、学ぶことは沢山あります。
では、最初の質問として記載した「システムエンジニアには簡単になれるのか?」についての回答はどうなるでしょうか。
次回、「システムの利用範囲と意識すること」で、もっと詳しく見ていきましょう。